愛知県森林・林業技術センターと民間のソフト開発会社であるMTGフォレストは、共同で愛知県版「細り表」を作成するとともに、だれでも簡単に利用できる「細り表アプリ」を開発しました。

森林所有者は自分の森林の価値を簡易な方法で知ることができ、森林組合等の林業事業体は皆伐など施業の提案を行う際に収益の算出が容易にできるようになります。

細り表は地域毎に作成することで精度が高くなります。今まで愛知県における細り表は作成されていませんでしたが、今回、愛知県版の細り表が完成しました。

また、通常、細り表は紙ベースの冊子のみで、煩雑な検索作業が必要であり、現場で扱いづらいという問題があります。今回開発した「細り表アプリ」はスマートフォンなどで簡単に利用できます。

細り表のアプリ化は他に例がなく、林業の作業効率向上に大きく期待できます。

1 細り表とは

 樹木は通常、根元から先端に向かって細くなっていきます。細り表とは、木がどのように細くなるのかを推定する表のことです。細り表を使うと、スギやヒノキの一定の高さ毎の直径が分かります。これにより、立木をどのように採材(3mや4mの採材など)すれば高く販売できるかを検討することができます。
 また、その立木の材積も計算できるため、森林全体でどれぐらいの材積があるのかも推定可能です。森林を伐採した場合の森林所有者の収益を簡易に推定できます。

2 今回開発した「細り表アプリ」の特徴

 作成した細り表は以下の3種類です。
 (1)樹高と胸高直径(地上1.2m位置の直径)から推定する細り表。
 (2)胸高直径と樹齢(木の年齢)から推定する細り表。
 (3)樹高、樹齢、現地の標高から推定する細り表。

アプリを活用することで、これら3種類のすべての細り表を利用する事ができます。(2)を用いれば、非常に手間のかかる樹高測定を省略することができ、現場作業の効率化も期待できます。(3)を用いれば、ドローン等による広域での樹高データから、森林全体の資源量を簡易に把握することも可能です。

スマートフォンなどで必要情報を入力すれば、対象樹木の直径をすぐに確認できます。
従来の紙ベースの細り表のような、煩雑な検索作業が不要になりました。

制作【あいち細り表開発チーム】
・愛知県森林・林業技術センター
・愛知県林務課普及プロジェクト
・MTGフォレスト株式会社

【2023年5月26日】WEB版を公開しました。こちらから